有川翔馬・諫早俊樹・雨宮隆太郎 ○○○
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300mの音楽を作った。場所は西新宿の長い地下通路で、そこに彩りを与えようと考えた。300mを考えたときに、人が歩く時間は3〜4分、これは1曲の曲の長さに相当する。音楽を聴くのではなく体験させる空間を演出した。曲はドビュッシーのアラベスク第一章をモデルとした。
1小節ごとに柱を設置して1つ1つの音符に対応するスクリーンを天井から垂らした。水色の壁のグラデーションは音の強弱を表した。上部に設けたトップライトから落ちてくる光がスクリーンの影を床に映し、床からも曲の旋律が感じられる。
同じ曲であったとしても、人の歩くスピードで、スタスタ歩く人は速いテンポで、のんびり歩く人はゆっくりとしたテンポで、2人一緒に歩く人はまるで連弾をするように同じテンポで、地下全体を空間体験することが出来る。
古谷:300mの題材があって、今度は300mの中をどのように作っていくのかというアイデアが次に必要。ただ300mの長いものを作るんじゃなく、その300mの長さに渡ってどうやってやるか。今回課題文をわざと300,000mmという表現にしたのは、300mなんだけれど、これは1mmが三十万回繰り返されているというように捉えることも出来るという意味。音楽は1mmとまではいかないかもしれないが、30cmくらいのものが1万回繰り返される、積み重なっている。300mをどういうピッチで刻んで行くか、そういう発想になってくる。これは非常に面白いと思うが、300mといえど、すごく細かい身体スケールの連続で出来ているというふうに捉えることが出来て、それに音楽が絡められていて、人の歩行というもので身体スケールがどんどん移行して行く。
問題は上から垂れ下がっているスクリーンが、本当に音楽的なリズムに感じられるかどうか。人間の目は横に流れて行くようなものだから、縦線で刻めば音楽的なリズムに感じられる。ラトゥーレットのスロープを歩いていると本当に音楽的に感じられる。クセナキスが音楽家で、彼が割り振ったサッシュ割りで出来ている。
by enshu08
| 2008-09-02 00:00
| D_第5課題