




「壁面の記憶」と題した。大隈講堂を見ると、人間が行動することで痕跡が残っていく内壁と、自然にさらされて変わっていく外壁とにいろいろな蓄積がされる。その壁の間に入っていけるようなギャラリーを考えた。大隈講堂の向かって正面から右側の回廊に対して右側の外壁のところに作る。一つ一つの外壁をくりぬいてそれを外側や内側に入れることによって、今まで外壁になっていた部分が内壁になったり、内壁になっていた部分が外壁になってきていたりと、壁に膨らみを持たせている。また、切り取った外壁をそのままの状態でずらすことで、それ自体が大隈講堂の歴史を物語るような展示物となる。ガラスをメインに使い、大隈講堂の壁を縫うようにギャラリーを見ている人たちの姿も遠くから見たときに展示物となるようにした。
藤井:古いものに対して新しいものをどう対立させるのか調和させるのか、そのとき素材はどのようにするのかという問いに対して、彼女は今あるものにどのように形を与えるか、そのときにストーリーをたてて記憶に基づいて、その中で大隈講堂の持っている象徴的な壁の素材とか、そういうものをわざとバラバラに解体するという作業をして、古典的な印象から現代的な要素としたのはすごく良いと思った。それで出来た形が最終的にすごく今日の私たちがやっているような設計にもっていっているのが良かった。残念なのは、この全体の模型の中でどの壁がどの辺にきて、それが全体の中でどういう風に見えてくるのかというのがここで見えてくると良い。部分はすごく感じがでているし、どういう風にガラスと素材を組み合わせて、いろんな場所が出来ていて、ずらしていろんな空間が出来ているというのはすごく面白い。この中で、新しいものと古いものをどのように交わってくるのかというものが見たかった。
山崎:これだけの操作でこんなに変わってしまうんだというのに気づいた。すごく軽くなったと思う。
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by enshu08
| 2008-12-19 00:00
| E_第5課題